生体リズムを改善するには
生体リズムスコアとは
生体リズムスコアは、就寝時刻と起床時刻の規則性を評価する指標で、毎日どれだけ一定の時間に寝て起きているかを数値化したものです。このスコアは、就寝と起床の時間が安定しているほど高くなり、乱れているほど低くなります。安定した睡眠リズムは、体内時計(サーカディアンリズム)を整え、身体の調子や精神状態を良好に保つために重要です。
生体リズムスコアを改善するには
健康な生体リズムを維持するためには「毎日決まった時間に起きて、決まった時間に寝る」ことが重要です。そのため、生体リズムスコアは以下のようなことでスコアの向上が期待できます。
- 就寝と起床の時刻を毎日揃える
- 就寝前の準備:スマホやPCを見ないなど。
- 起床時間の固定:起床時間だけでも揃える。
- 光の調節:就寝前は暗く、起床時は明るくする。
1. 一定の時間に就寝・起床する
生体リズムスコアは、主に就寝時刻と起床時刻のずれに基づいて計算されます。したがって、スコアを改善するためには、毎日同じ時間に寝て同じ時間に起きることが最も効果的です。週末や休日に遅くまで寝るのを避け、平日と同じリズムを保つように心がけることで、体内時計が整い、生体リズムが安定します。
〇具体的な推奨案:
- 具体的な時間(7:00起床など)を決めておく。
- アラームは平日のときのまま固定しておき、2台以上用意する。(二度寝防止)
2. 就寝前の準備を徹底する
同じ時間に就寝するためには、「就寝前のルーティンを作ること」が重要です。例えば、決まった時間にリラックスする活動を行うことで、体に「寝る時間だ」と認識させ、自然に毎日同じ時間に眠りにつきやすくなります。これにより、就寝時間が安定し、生体リズムスコアが改善します。
〇具体的な推奨案:
- 寝る前には音楽を聴く、本を読む、瞑想をするなどルーティンを決める
- 寝る前のPCやスマホの使用は控える。
- 食事やアルコール、カフェインは寝る前には控え、ホットミルクなど温かいものを飲む。
3. 起床時間を固定する
生体リズムを整えるためには、「毎日同じ時間に起きること」が鍵となります。特に起床時間だけでも一定にすることで、体内時計が調整され、自然に同じ時間に眠くなるようになります。目覚まし時計を使って一定の時間に起きる習慣をつけると、夜の就寝時間も規則正しくなり、生体リズムスコアが向上します。
〇具体的な推奨案:
- 起床後に決まったルーティンを決めておく(ランニングやストレッチ、読書など)
- 休日も午前中だけは予定を入れておく。
- 起床と同時にカーテンを開けて、日光を浴びる
4. 就寝と起床のズレを最小限にする
生体リズムスコアは、日々の就寝・起床の時間差が大きいほど悪くなります。そのため、「前日との就寝時間や起床時間のズレをできるだけ小さく保つこと」が大切です。たとえ夜更かしをしてしまった場合でも、翌朝はいつも通りの時間に起きることで、リズムの乱れを最小限に抑えることができます。
5. 光のコントロールでリズムを整える
生体リズムを保つためには「起床時に朝日を浴びること」が重要です。これにより、体内時計がリセットされ、一定のリズムを保つことができます。逆に、夜間は明るい光を避け、就寝前に体を自然に眠りに導く環境を作ることが、規則的な就寝時間の確保に役立ちます。これにより、就寝時間の安定化を図ることができ、生体リズムスコアが改善します。
〇具体的な推奨案:
- 夜は遮光カーテンを閉める。
- 起きたらすぐにカーテンを開け、5分ほど太陽光を浴びる。
- 天気が悪い場合は照明でも可能。
これらの方法を実践することで、就寝時刻と起床時刻が安定し、生体リズムスコアが向上します。規則正しいリズムを保つことで、体内時計が整い、心身の健康状態を最適な状態に保つことができます。
以下は、生体リズムスコアの詳しい計算方法に興味のある方だけがお読み下さい。
生体リズムスコアの計算方法
生体リズムには、Sleep regularity index (SRI)をそのまま用いています。
- 参考1: https://www.nature.com/articles/s41598-017-03171-4
- 参考2: https://academic.oup.com/sleep/article/47/1/zsad253/7280269
SRIは2日間の睡眠の一致度合いを見る指標です。 対象の日付の就寝時刻と起床時刻を基準として、次の式で計算されます。
SRI = 200 * {1440- ( |翌日との就寝時刻の差| +|翌日との起床時刻の差|) }/1440 - 100
SRIは式を見ればわかるように、-100から100のレンジで値を取ります。 0以下の値を取ることはまずありませんが、0以下の場合には0点と定義されます。 点数が高いほど、生体リズムが整っているということになります。
次に実際の例を示します。 ある日の睡眠が20:00-5:00だとして、次の日の睡眠が21:00-6:30だったとします。 就寝時刻には絶対値として60分のズレ、起床時刻には絶対値として90分のズレがあります。このとき合計で絶対値として150分のズレがあります。このとき、以下の式が成り立ちます。
SRI = 200 * (1440-150)/1440 -100 = 79.167
このとき、SRIは四捨五入すると79点となります。